退職代行業者選びのおすすめは?特徴や選び方の基準を解説!
目次
テレビやメディアで紹介されることが話題となり、退職代行サービスを利用して会社を辞める人が増えてきています。しかし、一口に退職代行サービスといっても、実は業者によってサービス内容や料金などはさまざまな違いがあるのです。初めて利用する人にとっては、どこに依頼すればよいのか分からないこともあるでしょう。ここでは、退職代行を行っている業者の特徴や違いについて詳しく解説するので、ぜひ選び方の参考にしてみてください。
1.退職代行を行っている業者の特徴は?
退職代行サービスを行っている業者は主に4つあり、「専門企業」「行政書士」「電話代行会社」「弁護士」に分けることができます。ここからはそれぞれの特徴について見ていきましょう。
1-1. 低料金で選ぶなら専門企業
専門企業による代行業者は、民間の業者が運営している退職代行サービスです。メディアなどで取り上げられる業者はこの民間が多く、料金が安いという特徴もあります。会社を辞めたいがどうすれば良いか、といった相談は、無料で行っているケースがほとんどです。料金の相場は、3~5万円程度が一般的です。
専門業者の場合、相談方法は電話だけでなく、ラインやメールでも対応しています。なかには24時間相談を受け付けている業者もあり、夜中に相談することも可能です。ただし、専門業者の場合、弁護士などの法律に関する専門家がいないため、対応できるのはあくまで会社を辞めるという通達のみになります。退職に関する交渉や、有給休暇消化の交渉、残業代などの請求はできないので注意しましょう。
1-2. 書類作成に長けているのは行政書士
行政書士による退職代行サービスも、相談に関しては無料で行っていることが多く、料金の相場も、3~5万円程度となっています。また、24時間メールやラインで相談に乗ってくれることも多く、もちろん電話での対応も行っています。
行政書士の退職代行も、弁護士資格を持っていないため、トラブルが起きた際には企業側と直接交渉をしてくれることはありません。ただ、会社とトラブルになっていない場合に限って、本人名義での書類を作成することは可能です。また、退職時にはいろいろな書類を作成する必要もありますが、行政書士の場合は書類作成における知識が豊富なので、分からないことがあれば聞きやすいといったメリットがあるでしょう。
1-3.低料金且つ会話力がすごいのは電話代行会社
退職代行サービスのなかには、電話代行会社が格安の料金で対応しているケースもあります。そもそも電話代行会社とは、依頼者に変わって電話対応を行うサービスです。会社を辞めたい場合も、本人に代わって代行会社が会社へ辞める意向を伝えてくれます。電話代行会社の場合、ラインやメール、電話で対応できる他、相談料無料、基本料金が1万円程度といった業者もあります。
ただ、電話代行会社の場合、料金は安くてもオプションが付いていくケースが多いようです。例えば、内容録音5000円、深夜早朝電話3000円、即日対応3000円と、状況に応じて料金が加算されるケースもあります。そのため、トータル的に見ると他社の方が安く済むということもあり、注意が必要です。電話代行会社は、会社との交渉や書類代行は行っていません。しかし、普段から仕事の応募やクレーム電話などを行うなど、ディベートに対するノウハウがあります。退職以外のサービスも行っているため、相手との交渉には臨機応変に対応してくれることもあるでしょう。
1-4.退職通知後も安心できるのは弁護士
弁護士が行う退職代行サービスは、料金の相場が5~7万円程度と、専門企業と比較するとやや高めとなっています。理由としては、代行業者のなかでは唯一、会社とのトラブルに生じた法律的な交渉ができるからです。弁護士の場合、退職金のトラブルやパワハラ等の慰謝料の請求、有給消化や給与における残業代未払いについての交渉などが可能です。会社側とトラブルが起きた際に、本人に代わって交渉を行うことができます。
また、離職票や退職証明書など書類の書き方のアドバイス、退職の日程や引き継ぎに関する調整など、多くの業務に対応できる特徴もあります。相談方法は、電話やメールが一般的であり、相談に関しては無料で行ってくれることが多いでしょう。料金は高めですが、代行できる範囲が広いため、会社と退職に関する交渉が必要な場合は心強い存在です。特に勤務先の顧問弁護士が出てきそうな会社では、こちらも弁護士に依頼した方が安全です。
2.退職代行を行っている業者を比較
退職代行を行っている、専門企業・行政書士・電話代行会社・弁護士における、サービスの違いと付加サービスについては以下のようになっています。
専門企業 | 行政書士 | 電話代行会社 | 弁護士 | |
相談料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料~5千円ほど |
費用相場 | 3~5万円程度 | 3~5万円程度 | 1万円程度の場合も(オプション料金あり) | 5~7万円程度 |
相談方法 | ライン メール 電話 |
ライン メール 電話 |
ライン メール 電話 |
メール 電話 直接会っての相談 |
対応内容(転職の斡旋や残業代の請求などの付加サービス) | 会社への通達のみ 会社との交渉や書類代行はできない |
会社への通達 ・離職票や 退職証明書など書類の書き方のアドバイス |
会社への通達のみ 会社との交渉や書類代行はできない |
会社への通達 ・有給消化や給与、残業代未払いについての交渉 ・退職金、パワハラ等の慰謝料の請求 ・離職票や退職証明書など書類の書き方のアドバイス |
このように、料金はやや高めですが、弁護士が行う退職代行が最もサービスとしての幅が広く、いざというとき安心ということがわかります。
3.弁護士の退職代行を依頼するのがおすすめの人
退職代行サービスのなかでも、弁護士が行うサービスが一番内容的には充実していることが分かりました。ここからは、どのような人に 弁護士の退職代行がおすすめなのか、見ていきましょう。
3-1.未払いの残業代や給与がある
会社を辞めたい人のなかには「未払いの残業代や給与がある」といったケースもあるでしょう。残業代を請求したいのにうやむやにされたり、そもそも提示された金額の給与とは違ったりと、金銭的なトラブルを抱えているケースもあります。そのような人が会社を辞める際には、会社側と交渉することが必要です。
未払いの残業代や給与の請求は、 弁護士以外による請求は違法であるためできません。民間の退職代行サービスに依頼しても、それに関しては自分で交渉を行うしかないのです。そのため、会社と給与面でのトラブルを抱えている人は、初めから弁護士が行う代行サービスに依頼するのがおすすめです。弁護士は本人に代わり、代理人として会社側と給料の未払いなどに交渉することができます。
3-2.長時間労働・パワハラなどでうつ病を発症した
会社を辞めたい人のなかには、職場からのパワハラやセクハラ、過度な残業などによりノイローゼになったケースも少なくありません。もう二度と会社の人とは話をしたくない、そうした理由から代行業者を頼る人も多いのです。
ただ、長時間労働やパワハラなどでうつ病を発症した場合は、 労災の申請ができるケースがあるため、弁護士に相談したほうが良いでしょう。単に会社を辞めるだけではなく、会社によって心身を壊されたことを主張すれば、傷病手当や会社から慰謝料を請求できる可能性もあります。弁護士であれば、労災申請の相談や、会社とのトラブルの解決も行ってくれるため安心です。
4.会社との交渉は弁護士がおすすめ!自分に合った退職代行を選ぼう
退職代行サービスを行っている業者には、いろいろな特徴や強みがあります。料金の安さばかりに注目してしまうと、結果として希望内容とは合わない業者を選択してしまうこともあるのです。また、未払い賃金や会社との交渉、退職に関する相談などがある場合は、最初から 弁護士に依頼すると安心です。弁護士によってはクレジットカード決済にも対応しているところもあります。業者を選ぶ際には内容を見比べ、自分に合った退職代行サービスを選びましょう。