営業は会社の売り上げに直接、貢献する職種のため、成績が良ければ高待遇を得られる傾向があります。しかし、「良い成績が出せないと上司に怒られる」「社内に自分の居場所がなくなる」といったストレスが大きい職種でもあるのです。この記事では営業の向き不向きや辞めたい場合の対処方法、おすすめの転職先などについて紹介します。

1.営業を辞めたい具体例と対処方法

営業を辞めたいと考えるケースの主な具体例と対処方法について紹介します。

1-1. 毎月のノルマがきつく結果が出ない

ノルマが厳しい職場の場合、身内からでも契約を取らなければならないケースもあります。また、ノルマを達成できないと上司から怒られるなど、職場において強いプレッシャーをかけられる場合もあるのです。それが長く続くうちに、「仕事に行くのが怖い。辞めたい」と思うようになる人は少なくありません。
そういった場合の 対処方法としては主に2つを挙げることができます。まず、ノルマに対してプレッシャーを感じすぎるあまり仕事へのモチベーションが下がっているような場合は、ノルマを深刻に捉えすぎないように意識してみましょう。仕事をするうえでの1つの目標として考えてみれば、気持ちが軽くなる場合があります。
あるいは、 ノルマのない営業職や他の業種への転職を検討することも効果的な対処方法です。

1-2. 長時間拘束され体力的に限界

営業職の場合、勤務時間外まで仕事関係で拘束されるケースがあります。たとえば、仕事が終わってからも毎晩のように接待があり、睡眠時間を十分にとれない人も多いのです。または、土日祝日も関係なく顧客に呼び出されるなど、休日にも仕事を忘れて休養に専念できなかったり仕事に関する拘束時間が長かったりといったケースもあります。そのような生活が長く続けば、精神的・体力的にも限界を感じてしまっても不思議ではありません。
このようなケースの 対処方法としては3つが挙げられます。まず、土日祝日にしっかりと休みたい場合は、土日祝日に休業する業界を顧客としている企業に転職するとよいでしょう。または、体調不良や持病の悪化などを理由にして接待の回数を減らすという方法もあります。一般的には、体調や病気が理由であれば接待が減っても仕方がないと理解してもらえるケースが多いのです。
もう1つの方法は、土日祝日（または自分の休日）には、会社関係の電話やメールには、いっさい、対応しないと徹底することです。

1-3. 顧客とのコミュニケーションや会話が苦手

営業職に就いている人の中にも、対人コミュニケーションがあまり得意でないという人は少なくありません。たとえば、もともとは営業を希望していなかったのにもかかわらず営業に配属されてしまった人です。または、営業の仕事をする中で顧客からクレームや罵声を浴びせられたことをきっかけに、顧客とのコミュニケーションに苦手意識を持ってしまったという人もいます。
顧客対応が苦手というのは営業をするうえで最も耐え難いケースです。もともと、対人コミュニケーションが得意ではないという人は、 別部署への異動や他の業種への転職を検討することをおすすめします。また、クレームなどが原因で顧客対応が苦手になってしまったという場合は、クレームを受けるような事態の再発防止に努めて成功体験を積み重ねることによって、自信を深めるとよいでしょう。
それから、クレームを出してくる顧客への対応について、あまりナーバスにならないように意識することも大切です。クレームをするかどうかは営業担当者の仕事の質にもよりますが、顧客自身の性格や立場にもよります。すべてを自分の責任だと思いすぎないようにしましょう。

2.営業に向いていない人の特徴

「本当に自分は営業に向いているのだろうか」と悩んでいる人のために、この段落では、営業に向いていない人が持つ特徴について紹介します。

2-1. 目標達成の意識が低い

営業の仕事とは、 基本的に成果主義です。達成するのが少々困難なノルマを課せられた場合に、「何が何でも達成してやる」といった気持ちになってモチベーションが高まるような人ほど、営業職に向いているといえます。それに対し、高いノルマを与えられると「無理だ」と感じ、やる気をなくしてしまうような人は営業職に向いていないかもしれません。
また、 負けず嫌いな性格のほうが営業職に向いています。時には、周りの人間を蹴落としてでも自分がトップを取りたい、高い成績を出したいといった闘争心が必要なケースもあるのです。逆に、 勝ち負けがはっきりする課題を嫌う人は営業職に適性があまりないといえるでしょう。

2-2. ストレスに弱く失敗を引きずる

扱う商材にもよりますが、営業の仕事では商品をすんなりと売りこむことが一般的に難しいため、挫折や失敗を味わうことが日常的に多い職業です。場合によっては、10回くらい営業をかけても1回くらいしか成約に至らないケースも珍しくありません。
ですから、売れなかったり、うまくいかなかったりしたことをクヨクヨと引きずるようなタイプの性格の人は、営業職を続けることが精神的に耐えられなくなるという傾向があります。
失敗した場合に原因と対策を考えるなど、反省をすることは大事です。そこで、失敗した経験を次の機会に役立てようと考えるような前向きな人のほうが、営業職に向いているといえます。逆に、「努力に結果が釣り合わない」「無駄な労力が多い」など、後ろ向きに考えてしまう性格の人は、あまり営業職に適しているとはいえないでしょう。

3. 営業を辞めたい人におすすめの転職先

もしも、営業を辞めた場合は、どのような転職先があるのでしょうか。
営業を辞めたい人におすすめできる転職の職種について紹介します。

3-1：事務職

営業の仕事を経験してきたという人の場合、パソコンを扱ったり数字を計算したりするスキルなどはある程度、身についていることが多いでしょう。そういったスキルを活用できる事務職への転職は、比較的、成功しやすいといえます。
たとえば、営業職の人をサポートする営業事務などはおすすめです。営業事務の仕事内容には受注書の管理やプレゼン資料の作成、請求書や見積書の作成、電話対応などがあります。営業職を経験したことがある人なら、営業職の人が仕事をしやすいように機転を利かせることもでき、職場に貢献できるでしょう。
ただし、営業職と比較すると事務職のほうが収入は下がるケースが一般的です。また、ノルマがないことを気楽に感じると同時に、物足りなさも感じる可能性もあります。

3-2. 企画・マーケティング

企画職は新しいサービスや商品を作り出す仕事です。マーケティング職はそれを市場に広めたり、サービスや商品の販売戦略を立てたりします。いずれの職種も営業との連携が欠かせない仕事内容のため、営業職から企画職やマーケティング職に転職すれば、営業職で培った経験を活用することができます。
企画職やマーケティング職では情報収集能力や分析力といった深い業界知識が必要とされるケースが多いため、新入社員が配属される可能性は高くありません。一方、再就職をする場合でも、営業職時代に養ったスキルを評価されて企画職やマーケティング職に配属される可能性は高いといえます。ですから、企画職やマーケティング職は、営業職からスキルアップを狙って転職する場合に検討する価値がある職種と考えられるのです。

4.会社を辞めたいのに辞められない場合は？

会社を辞めて転職をしたい人の中には、「上司に退職したいと言い出せない」「教育してもらった恩に対するに裏切りのようで、辞めたいと言いづらい」という人も少なくありません。また、退職の意向を伝えたとしても引き止められる場合もあります。
また、辞める時期を延長されて、なかなか辞められないという人もいるのです。
このように、自分の希望通りのスムーズな退職ができなくて悩んでいるという人は、退職代行サービス業者に依頼することをおすすめします。退職代行サービス業者は、本人の代理として会社に退職の意思を伝えたり、会社との連絡を取ってくれたりするのです。間に第三者を挟むことによって退職の手続きが進みやすくなる場合があります。
ただし、未払いの賃金や残業代、退職金などがある場合や退職する前に有給休暇を消化させてもらえないなどのトラブルがある場合は、民間の業者では解決できません。退職に関する交渉や請求は弁護士資格保有者のみができると法的に定められているためです。そのような場合は、弁護士が会社との交渉や請求に対応してくれる退職代行サービスを利用すれば、簡単に退職することができます。

5.営業経験を転職に活かすことも！辞めたいなら退職も検討しよう

営業職の仕事にはストレスが多いため、向いていない場合は「仕事に行きたくない」「仕事を辞めたい」という気持ちになりやすいといえます。苦痛を感じながら働いても良い結果を出しにくいのではないでしょうか。ですから、「どうしても辞めたい」と思う場合は転職を考える必要があります。退職がスムーズにできずに悩んでいる人も退職代行サービスを利用すれば簡単に辞められるので、検討してみてはいかがでしょうか。